「根管治療」ってどんな治療?~むし歯でも歯を抜かない選択肢~
皆さんこんにちは。
【はまだ歯科クリニック】です。
むし歯はとても身近な病気で、誰でもかかる可能性があります。
中には症状が悪化してしまい、ひどに痛みに悩まされている方もいらっしゃるでしょう。
かつては、重症化したむし歯の治療法といえば、抜歯しかありませんでした。
しかし現在では治療法の発達によって、歯を残せる可能性が広がっているのです。
このコラムでは、歯を抜かないむし歯の治療法である「根管治療」についてお話しします。
「むし歯は治療したいけど、できる限り歯は残したい」
このようなご希望をお持ちの方は、ぜひ治療法選びの参考にしてください。
日本歯科大学 生命歯学部 卒業 日本歯科大学附属病院 研修医 埼玉県内、都内歯科医院 勤務 はまだ歯科クリニック 開院
医院名:はまだ歯科クリニック
所在地: 〒365-0043
埼玉県鴻巣市原馬室114−1
根管治療とは?
「根管治療」とは、むし歯が歯の内部まで進行した場合に行われる治療法です。
この治療では、むし歯菌に感染した神経を取り除き、歯の根っこの内部を清掃・消毒します。
その後、歯に開いた穴をふさぎ、上から被せ物をして歯を再建するのです。
根管治療の目的は、歯を抜かずに保存し、機能を回復させることにあります。
根管治療を理解するために、歯の構造を見てみましょう。
歯の構造~歯髄とは?~
歯はエナメル質、象牙質、セメント質という硬い組織で覆われています。
歯ぐきより上に露出している部分を歯冠、歯ぐきに埋まっている部分を歯根といいます。
また、歯の内部には「歯髄」と呼ばれる組織があり、神経線維や血管、リンパ管などが通っているのです。
歯髄は、歯に栄養を供給し、感覚を伝えるなど重要な役割をもっています。
むし歯は歯の表面から発生しますが、進行して炎症が歯髄に達すると、激しい痛みをともないます。
根管治療は、このような重症化したむし歯に有効な治療法です。
むし歯は早期治療が重要
根管治療には、歯を抜かずに残せるという大きなメリットがある一方、歯がもろくなったり、治療に時間が長くかかったりするデメリットもあります。
むし歯を初期段階で発見できれば、比較的少ない回数で治療ができ、歯を削る量も少なくすみます。
患者さんの負担も軽くなりますので、歯に痛みが出た際には早めに歯医者を受診するようにしましょう。
また、日ごろからむし歯を予防することも非常に大切です。
丁寧な歯磨きはもちろんのこと、症状がなくても定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。
ぜひはまだ歯科クリニックの定期検診にお越しください。
むし歯を放置する4つのリスク
むし歯を放置することは、次のようなリスクを高めます。
- 歯を失う
- 食欲不振になる
- 口臭が悪化する
- 心臓・脳の病気を引き起こす
1.歯を失う
むし歯を放置すると、最終的には抜歯が必要になることがあります。
厚生労働省の調査によると、むし歯は抜歯の原因の3割近くを占めているのです。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」より)>
失った歯は、二度ともとには戻りません。
大切な歯を1本でも多く残すために、予防・早期治療を心がけましょう。
2.食欲不振になる
むし歯が進行すると、食事中に痛みを感じることが多くなります。
その結果、痛みが原因で食事を避けるようになり、食欲不振につながるのです。
栄養状態が悪化することで免疫機能が低下するため、さまざまな病気のリスクも増加するでしょう。
3.口臭が悪化する
むし歯にかかったお口の中には、大量のむし歯菌が繁殖しています。
細菌が代謝して発生するガスは、口臭の原因になるのです。
さらにむし歯が悪化すると、歯根の先に膿がたまり、より強い臭いを発します。
4.心臓・脳の病気を引き起こす
むし歯はお口の中だけでなく、全身の健康にも悪影響をおよぼすことがあります。
たとえば、むし歯菌が血流を通じて全身に広がり、心臓病や脳疾患などのリスクを高めることが知られているのです。
これらの病気は、命に関わる可能性があります。
むし歯を軽視することなく、予防や早期治療を心がけましょう。
根管治療が必要になる症例
根管治療が必要になる3つの症例について解説します。
1.歯髄炎
歯髄炎は、歯髄が炎症を起こした状態で、次のような症状が現れます。
- 冷たいものや温かいものがしみる
- じっとしていても鈍い痛みを感じる
炎症が回復することもありますが、回復しない場合は根管治療が必要になります。
2.歯髄壊死
歯髄壊死は、俗にいう「神経が死んでしまった状態」です。
- むし歯で冷たいものがしみていたが、痛みを感じなくなる
- 歯が変色してくる
歯髄炎の段階では神経が生きているため痛みを感じますが、歯髄壊死では痛みを感じなくなります。
症状が改善していると勘違いされる方も多いのですが、実際は症状がさらに悪化しているのです。
このような症状が現れた場合は、むし歯がかなり進行している可能性があるため、早めに歯医者を受診しましょう。
3.根尖性歯周炎
根尖性歯周炎とは、歯根の先端が炎症している状態で、骨の中まで炎症が広がっています。
歯髄壊死で消えていた痛みを再び感じるようになり、次のような症状が現れます。
- 噛むと痛い
- 歯ぐきから膿が出る
- たまに強い痛みを感じる
根尖性歯周炎は自然に治癒することはないため、抜歯や根管治療が必要になります。
根管治療の流れを解説
根管治療の基本的な流れを説明します。
1.治療前の検査
むし歯の進行具合や歯の状態を正確に把握するために、レントゲン撮影やCT撮影を行います。
2.麻酔
根管治療は麻酔がしっかりと効いた状態で行います。
当院では、麻酔注入時の負担を軽減するために「電動麻酔器」を導入しています。
麻酔薬を一定の圧力でゆっくりと注入でき、痛みを軽減する効果が期待できるのです。
3.感染部位の除去
はじめに、むし歯菌に感染した歯の表面を削ります。
歯髄が露出したら、リーマーという専用器具を使い感染した歯髄を取り除きます。
むし歯菌が少しでも残っていると、そこから二次むし歯になる可能性があるため、感染部分は徹底的に除去することが重要です。
4.歯根の拡大・清掃
次に、歯根の内部を拡大しながら清掃を行います。
清掃しながら歯根の内部を広げることで、歯根内の隅々まで薬が行き届きやすくなるのです。
5.歯根内に薬を充填する
炎症が強い場合には、歯根内に薬を充填してから仮蓋でふさぎます。
数日後、再び歯根の清掃を行い、歯根内が無菌状態に近づくまでくり返し処置を行います。
通院回数が多くなることもありますが、指示通りに処置を受けましょう。
途中で治療を中断したり、間隔が空いてしまったりすると、再び細菌が増殖してしまうリスクがあるのです。
結果的にさらに治療期間がのびる、二次むし歯のリスクが上がるなど、治療の失敗につながります。
6.根管の充填
消毒が完了したら、根管内を充填剤で密閉します。
歯根内にすき間ができてしまうと、そこから細菌が入り込んでしまうため、すき間なく充填することがポイントです。
7.義歯の土台を作る
被せ物を固定する土台を作ります。
8.被せ物の装着
歯の型取りを行い、かみ合わせを調整した被せ物を製作します。
この被せ物を土台の上に固定し、根管治療は終了です。
二次むし歯を予防して残した歯を長く使用するために、治療後は定期メンテナンスにお越しください。
根管治療の成功率は?
根管治療の成功率は、治療前の歯の状態に大きく影響を受けることが知られています。
根管治療を調査した研究によると、成功率は次の通りです。
- 健康な歯髄:96%
- 歯髄炎:96%
- 歯髄壊死:100%
- 根尖病変のある歯髄壊死:86%
- 再根管治療:98%
- 根尖病変のある再根管治療:62%
このデータから根尖病変がある(歯根の先端まで炎症が広がっている)場合、成功率が低いことがわかります。
この研究は日本で行われたものではないため、そのまま日本の歯科治療に適用はできない点には注意が必要です。
しかし、根尖病変のある再根管治療以外の根管治療は、高い成功率であるといえるでしょう。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の神経の治療(根管治療)」より)>
「はまだ歯科クリニック」の根管治療で歯を残す選択をしませんか?
根管の直径は1mm以下と非常に細く、歯によって形状が異なります。
そのため、根管治療には高い治療技術が必要であり、難易度の高い治療法といえるのです。
【はまだ歯科クリニック】の院長は、根管治療に力を入れております。
また、当院は診査・診断の精度を高めるために「CT・デジタルレントゲン」を導入しており、充実した治療環境を整えています。
「他院では抜歯が必要といわれた」という方でも、当院の根管治療で歯を残せる可能性がありますので、お早めにご相談ください。
鴻巣市にある当院は、バリアフリー設計ですべての世代の方が通いやすい歯医者です。
「説明用タブレット」を活用しながら、目で見てわかりやすい説明を心がけております。
治療に関してご不明な点があれば、遠慮なくご質問ください。
また、当院では待ち時間軽減のために、予約優先での診療を行っています。
ご予約には、便利なWEB予約をご利用ください。
急患にも柔軟に対応しております。
「歯が痛くてどうしようもない」などお困りの際は、我慢せずにご連絡ください。
当院の最寄り駅は、JR高崎線「鴻巣駅」です。
お車でお越しの方は、ピアシティ原馬室の駐車場(211台完備)をご利用いただけます。