インプラントの寿命はどれくらい?長持ちさせるためのケア・メンテナンスを解説
皆さんこんにちは。
【はまだ歯科クリニック】です。
インプラントは、失った歯を補う治療法の一つとして注目されています。
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を固定するため、噛む力はもちろん、自然な噛み心地を取り戻すことができるのです。
また、自分の歯と見分けがつかないほど、自然な見た目に仕上がります。
このように、メリットの多いインプラントですが、気になるのは「どれくらい長持ちするのか」という点ではないでしょうか?
このコラムでは、インプラントの一般的な寿命と、インプラントを長持ちさせるためのメンテナンスについて解説します。
日本歯科大学 生命歯学部 卒業 日本歯科大学附属病院 研修医 埼玉県内、都内歯科医院 勤務 はまだ歯科クリニック 開院
医院名:はまだ歯科クリニック
所在地: 〒365-0043
埼玉県鴻巣市原馬室114−1
20年以上インプラントを使用できる人もいる!
インプラントは、適切なケアとメンテナンスを行うことで、長期間にわたり使用できる治療法です。
インプラントの一般的な寿命は、10~20年程度といわれています。
厚生労働省の資料によると、インプラントの10~15年の残存率は、上顎で約90%、下顎で約94%です。
また、20年以上インプラントを使用している方に行ったアンケート調査では、78%の方が「何も問題なく使えている」と回答しています。
さらに、同じアンケート調査において「何でもよく噛めている」という回答は、80%を超えているのです。
(参照:厚生労働省委託事業-歯科保健医療情報収集等事業「歯科インプラント治療のためのQ&A」p3 より)>
(参照:J-STAGE-日本口腔インプラント学会誌31巻〈2018〉2号「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」より)>
ただし、インプラントを長く使用するためには、日ごろのケアの徹底と定期的なメンテナンスを受けることが大前提として必要です。
入れ歯やブリッジとの比較
失った歯を補う治療法には、インプラントのほかにも入れ歯やブリッジがあります。
それぞれの寿命を比較してみましょう。
治療法 | 寿命の目安 |
---|---|
入れ歯 | 4~5年 |
ブリッジ | 7~8年 |
インプラント | 10~20年 |
インプラントとこれらの治療法の一般的な「寿命」を比較すると、インプラントの方が長持ちするといえるでしょう。
インプラントの寿命に影響する要因とは?
インプラントの寿命は、さまざまな要因によって左右されます。
ここからは、インプラントの寿命に影響をおよぼす、おもな要因を解説します。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織が炎症を起こす病気です。
インプラント周囲炎の初期段階では、歯ぐきが腫れたり、歯ぐきから出血したりします。
症状が進行すると、インプラントを支えている骨が溶けてしまい、インプラントがぐらついて、最終的には脱落することもあるのです。
インプラント周囲炎は、磨き残した歯垢(プラーク)が原因で発症します。
コラムの後半でセルフケアのポイントについてお話ししますので、ぜひ予防の参考にしてください。
かみ合わせのバランスが悪い
インプラント治療では、ほかの歯とのかみ合わせのバランスを調整して、人工歯を装着します。
しかしながら、使用しているうちに、少しずつかみ合わせがずれてしまうことがあるのです。
かみ合わせが悪くなると、人工歯に過度な負荷がかかり、破損の原因となります。
さらに、インプラント周囲の組織にも悪影響が出たり、インプラント周囲炎のリスクが上がったりする要因にもなるでしょう。
インプラント治療を受けたあとは、歯科医院で定期的にかみ合わせのチェックを受けること
が重要です。
必要に応じてかみ合わせを調整することで、インプラントの寿命を延ばすことができます。
歯ぎしり・くいしばりなどの癖
歯ぎしりやくいしばりの癖があると、インプラントに過度な力がかかり、寿命を縮める原因となります。
これらの癖をお持ちの方は、インプラント治療の前に、歯ぎしりやくいしばりを緩和する治療を行う場合があります。
また、就寝中の無意識な歯ぎしりなどに対しては、マウスピースを装着してインプラントへのダメージを軽減する対処法も選択肢の一つです。
喫煙習慣
喫煙は、インプラントの寿命を縮める大きな要因の一つです。
タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は歯周組織への酸素の供給を妨げますし、「ニコチン」は血管を収縮させます。
身体が酸素不足・栄養不足になるため、インプラント周囲の組織も免疫機能が低下して、インプラント周囲炎にかかりやすくなるのです。
また、喫煙していると、インプラント手術後のキズの回復や人工歯根と顎の骨の結合が遅くなることにもつながります。
インプラント治療をきっかけに、禁煙を検討されてみてはいかがでしょうか。
歯科医院でのメンテナンスの重要性
インプラント治療は、インプラントを装着して終わりではありません。
インプラント手術が終わったあとは、定期メンテナンスを継続して受ける必要があるのです。
定期検診でのチェック項目
インプラント治療後の定期検診では、インプラントのメンテナンスとお口の中の健康管理を行います。
定期検診の頻度は、一般的に3~6ヶ月に1回程度です。
患者さんお一人お一人に適したペースをご案内しますので、忘れずにご来院ください。
・むし歯・歯周病のチェック
健康な歯がむし歯や歯周病にかかってしまうと、インプラントの周囲にも悪影響が出る可能性が高まります。
定期検診では、インプラントだけでなく周りの歯の状態もしっかりと確認し、必要に応じて治療を行います。
・かみ合わせのチェック
インプラントは顎の骨に固定されているため、動くことはほとんどありませんが、かみ合っている歯は少しずつ動く可能性があります。
かみ合わせがずれるとインプラントに過度な力がかかり、人工歯の破損などにつながるため、定期的なチェックが重要です。
・インプラントの状態のチェック
インプラントの周囲に炎症はないか、人工歯は破損していないかなど、インプラントの状態を細かくチェックします。
異常が見られた場合でも、早期に対処することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができるのです。
歯科医院でのクリーニング
歯科医院でのクリーニングは、歯磨きでは落としきれない歯垢(プラーク)や歯石を徹底的に取り除きます。
専用の器具や薬剤を用いることで、インプラントや周囲の組織を傷つけることなく、歯石や着色汚れをきれいに落とすことができるのです。
プロによる歯磨き指導
インプラントを長く使用するためには、プロケアだけではなく、ご自宅でのセルフケアも非常に重要です。
歯磨きの癖や歯並びによって、磨き残しやすい箇所はお一人お一人で異なります。
当院では、患者さんごとの正しい歯磨き方法、デンタルフロスなどの選び方・使い方のアドバイスを通して、快適なインプラント生活をサポートしています。
インプラントを長持ちさせるためのセルフケア
インプラントを長持ちさせるために、効果的なセルフケアのポイントを紹介します。
丁寧な歯磨き
インプラントには、「天然歯と同じように歯磨きによるお手入れができる」というメリットがあります。
インプラントの周りに汚れや歯垢(プラーク)がたまると、インプラント周囲炎のリスクが高まるため、「食べたら磨く」習慣を作りましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシの活用
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを6割程度しか落とせません。
そこで、デンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃補助具を活用しましょう。
デンタルフロスなどを併用することで、歯ブラシの毛先が届きにくい部分の歯垢(プラーク)も、約8割落とせることがわかっています。
(参照:新潟市公式ホームページ「正しい歯みがきや歯間清掃の習慣を身につけよう」より)>
生活習慣の見直し
インプラントの寿命を延ばすためには、生活習慣の改善も大切です。
特に、喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、禁煙することをおすすめします。
また、歯ぎしりやくいしばりなど、無意識で行ってしまう癖にも注意が必要です。
ストレスや食生活のかたよりもお口の中の健康に影響を与えるため、バランスのよい食事や十分な睡眠を心がけましょう。
インプラントはアフターケアも充実している「はまだ歯科クリニック」まで
インプラントは適切なケアとメンテナンスを行うことで、長期間使用できる可能性が高い治療法です。
鴻巣市の【はまだ歯科クリニック】は、ピアシティ原馬室内にある歯科医院で、専用駐車場(211台分)をご利用いただけます。
お買い物ついでにご来院いただくこともでき、インプラント治療後の定期メンテナンスに通いやすい歯医者です。
当院では、患者さんにわかりやすい説明を行うために「説明用タブレット」を活用し、治療やメンテナンスの内容をしっかりとご理解いただけるよう努めています。
また、「歯科用CT」や「電動麻酔器」など、インプラント治療のために充実した設備を完備しております。
インプラント治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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