【小児歯科】子どもが仕上げ磨きを嫌がるときの対処法|声かけや磨き方のポイント

「仕上げ磨きをはじめると逃げてしまう」「お口を開けてくれず、毎日の歯磨きが大変」と苦労している保護者の方もいらっしゃるでしょう。
仕上げ磨きは、声かけや磨き方などを工夫することで、毎日の習慣として続けやすくなることがあります。
このコラムでは、「仕上げ磨きを続けやすくするための声かけや磨き方のポイント」や「仕上げ磨きが大切な理由」についてご紹介します。

日本歯科大学 生命歯学部 卒業 日本歯科大学附属病院 研修医 埼玉県内、都内歯科医院 勤務 はまだ歯科クリニック 開院
医院名:はまだ歯科クリニック
所在地: 〒365-0043
埼玉県鴻巣市原馬室114−1
楽しい仕上げ磨きにつなげる声かけの工夫
お子さんが仕上げ磨きを嫌がるときは、歯磨きをはじめる前の声かけや雰囲気作りを意識していても、なかなかうまくいかないことがあります。
そのようなときは、子どもの様子に合わせながら、子どもが楽しめる要素を少しずつ試していくことが大切です。
1.歯磨きの絵本でポジティブなイメージを作る

仕上げ磨きを嫌がる子どもには、歯磨きを題材にした絵本を取り入れてみる方法があります。
仕上げ磨きの直前だけではなく、日中や寝る前など落ち着いている時間に絵本を一緒に読むと、歯磨きについて自然に触れやすくなるでしょう。
たとえば、絵本のキャラクターが大きくお口を開けて歯を磨く場面を見ながら、「同じようにできるかな」「奥歯もピカピカにしているね」などと声をかけてみてください。
お子さんが気に入った絵本をくり返し読むことで、仕上げ磨きを前向きに受け入れやすくなることがあります。
2.子どもが好きなキャラクターのコップや歯ブラシを使う

お気に入りのキャラクターのコップや歯ブラシなど、子どもが興味を持ちやすい道具を取り入れる方法もあります。
たとえば、「好きなキャラクターの歯ブラシで磨こうか」などと声をかけることで、仕上げ磨きをはじめるきっかけを作りやすくなるでしょう。
歯ブラシを新しく選ぶ際には、お子さんに好きな色やデザインを選んでもらうのも一つの方法です。
ただし、歯ブラシはデザインだけでなく、子どもの年齢やお口の大きさに合ったものを選ぶことが大切です。
仕上げ磨きの際には、保護者の方が使いやすい仕上げ磨き用の歯ブラシを使用するのもよいでしょう。
3.歌や数を数えて仕上げ磨きの時間を楽しくする
仕上げ磨きの間、同じ姿勢でじっとしていることが苦手なお子さんもいます。
そのような場合には、好きな歌を歌ったり、数字を数えたりしながら進めると、スムーズな仕上げ磨きにつながることがあります。
「10まで数えたら前歯は終わり」などと声をかけると、どのくらいで終わるのかがお子さんに伝わりやすいでしょう。
お子さんの好きな歌を「歯磨きの歌」として使うのも一つの方法です。
4.磨けた場所やがんばったことを具体的にほめる

仕上げ磨きが終わったあとは、「えらかったね」と伝えるだけでなく、子どもができたことを具体的にほめてみましょう。
「大きなお口を開けられたね」「奥歯まで磨けたね」などと具体的に伝えることで、お子さんのモチベーションにつながりやすくなります。
うまく磨けなかった日があっても、できたことに目を向けて声をかけることで、次の歯磨きにも取り組みやすくなるでしょう。
仕上げ磨きの姿勢や磨き方のポイント

仕上げ磨きでは、声かけだけでなく、「保護者の方がお口の中を確認しやすい姿勢」や「歯ブラシの動かし方」もポイントです。
子どもを寝かせるなどお口の中が見えやすい姿勢で磨く
仕上げ磨きの際は、お子さんのお口の中が見えやすい姿勢で磨くとよいでしょう。
お子さんが小さいうちは、保護者の方の膝の上に寝かせると、上の前歯や奥歯まで確認しやすくなります。
また、お子さんがしっかり立てるようになったら、保護者の方の身体でお子さんの頭を後ろから支える姿勢も、磨きやすい方法の一つです。
お子さんの成長に応じて、安全にお口の中を確認できる方法を選ぶことがポイントです。
歯ブラシは軽い力で小刻みに動かす
仕上げ磨きでは、汚れを落とそうとして歯ブラシの毛先を強く押し当てないよう注意しましょう。
強い力で磨くと、仕上げ磨きを嫌がるきっかけになる場合があります。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、毛先を歯の表面に当てて、小刻みに動かすことがポイントです。
一度に広い範囲を磨こうとせず、1~2本ずつ丁寧に磨くとよいでしょう。
磨く順番を決める
毎回違う場所から磨きはじめると、磨き忘れにつながることがあります。
磨き残しを予防するためには、毎回同じ順番で磨くことが大切です。
1.上の右奥歯
2.上の前歯
3.上の左奥歯
4.下の左奥歯
5.下の前歯
6.下の右奥歯
たとえば、上記のように一方向に磨いていくと、磨き残しを防ぎやすくなります。
子どもにも「次は前歯」「最後は右の奥歯」などと伝えると、終わりまでの見通しを持ちやすくなるでしょう。
部位別の磨き方のコツ
ここでは、部位別の磨き方のポイントをご紹介します。
【コツ1】前歯
前歯を磨くときは、唇をやさしく持ち上げ、歯と歯ぐきの境目が見える状態にします。
特に、上の前歯では、唇と歯ぐきをつなぐスジに歯ブラシが当たると痛みを感じることがあるため、このスジを指で保護するようにしながら磨くとよいでしょう。
前歯の表側は、歯ブラシを小刻みに動かし、1~2本ずつ丁寧に磨きます。
前歯の裏側は、歯ブラシを縦にして、毛先を歯の裏側に当てながら上下に動かすことがポイントです。
【コツ2】奥歯
子どものむし歯の8割以上が、奥歯の溝から発生するとされています。
奥歯の溝は汚れがたまりやすいため、より丁寧に磨くことを心がけましょう。
(参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」)>
歯ブラシの毛先を奥歯の溝に当てて、小刻みに動かしながら汚れをかき出すように磨きます。
また、奥歯と歯ぐきの境目も磨き残しが生じやすいため、歯ブラシの毛先を当てて、力を入れすぎないように汚れを取り除きましょう。
【コツ3】歯と歯の間
歯と歯の間は、歯ブラシの毛先だけでは汚れを取り除きにくい場所です。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢を6割程度しか取り除けませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、8割程度除去できるとされています。
(参照:神奈川県|今日から始めるすき間ケア「毎日のむし歯・歯周病対策」)>
4歳ごろから乳歯のすき間が狭くなることがあるため、歯と歯の間のケアがより重要になります。
デンタルフロスや歯間ブラシは、3歳ごろから仕上げ磨きの際に少しずつ取り入れ、慣れておくとよいでしょう。
小児歯科で受けられるむし歯の予防処置
子どものお口の中は、成長にともなって歯の生え方や歯並びが変化していきます。
定期的に歯科検診を受けることで、家庭では気づきにくい磨き残しやお口の変化を確認し、成長に合わせた予防ケアにつなげることが大切です。
お口のクリーニング

毎日仕上げ磨きをしていても、歯磨きで落としきれない細かい汚れは残るものです。
歯科医院では、お口の中を確認した上で、歯磨きだけでは取り除きにくい汚れを専用の器具などで除去します。
クリーニングの際には、汚れを落とすだけでなく、磨き残しが生じている場所や新しく生えてきた永久歯の状態なども確認します。
ごく初期のむし歯など、ご家庭では気づきにくい小さな変化を確認する機会にもなるでしょう。
歯磨き指導

子どもの歯並びや歯の生え方は、成長とともに変化することがあります。
特に、永久歯へ生えかわっているときは、歯の高さに段差ができるため、歯ブラシの毛先が届きにくい部分が生じやすい時期です。
さらに、生えて間もない歯は、表面が十分に硬くなっていません。
歯の表面が十分に硬くなるまでは、生えてから2~4年かかるとされているため、丁寧に磨くことが大切です。
(参考:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「ライフステージ別にみたむし歯の特徴」)>
歯科医院の歯磨き指導では、実際のお口の状態を確認しながら、次のようなポイントをお伝えします。
・磨き残しが生じやすい場所
・歯ブラシの毛先を当てる角度
・お子さんに合った歯ブラシの選び方
・デンタルフロスの選び方や使い方
・仕上げ磨きのポイント
フッ素塗布
フッ素塗布は、歯の表面にフッ化物を塗布し、むし歯予防をサポートする処置です。
フッ化物は世界的に広くむし歯予防に活用されており、半世紀以上にわたる有効性や安全性に関する研究結果をもとに、WHO(世界保健機関)なども利用を推奨しています。
(参考:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「フッ化物利用(概論)」)>
ある研究では、定期的にフッ素塗布を実施した場合、乳幼児のむし歯を半分程度に減少させられたという結果が出ています。
ただし、フッ素塗布を受ければむし歯をすべて防げるというわけではありません。
毎日の歯磨きや仕上げ磨き、歯科医院でのクリーニングを組み合わせながら、継続してむし歯予防に取り組むことが大切です。
仕上げ磨きの工夫と歯科検診でお子さんの歯を守りましょう

お子さんが仕上げ磨きを嫌がるときは、絵本やお気に入りの歯ブラシ、歌などを取り入れながら、お子さんが取り組みやすい方法を探してみましょう。
仕上げ磨きの方法や歯ブラシの選び方などで困ったことがあれば、歯科医院に相談するのも一つの方法です。
当院では、お子さんが楽しく通院できるようにキッズスペースを設けています。
診療室にはベビーカーのままお入りいただけますので、小さなお子さんも通いやすい環境です。
また、211台分の駐車場があり、WEBからのご予約にも対応しております。
仕上げ磨きやむし歯予防について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
