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【小児歯科】子どもでも歯周病にかかるってホント?~歯ぐきを清潔に保つポイント~

【小児歯科】子どもでも歯周病にかかるってホント?~歯ぐきを清潔に保つポイント~

歯周病というと、大人の病気という印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし、近年は、子どもの歯ぐきにも腫れや出血といった症状が見られるケースが増えています。

 

子どもの歯ぐきを健康に保つためには、日ごろからのケアに加えて定期的な歯科検診が重要です。
このコラムでは、子どもの歯周病の特徴と予防のポイントをわかりやすく解説します。

 



院長

経歴
日本歯科大学 生命歯学部 卒業 日本歯科大学附属病院 研修医 埼玉県内、都内歯科医院 勤務 はまだ歯科クリニック 開院
医院名:はまだ歯科クリニック
所在地: 〒365-0043
埼玉県鴻巣市原馬室114−1



 

子どもでも歯周病に注意が必要!


歯周病は年齢とともにリスクが高まる傾向がありますが、子どもならかからないというわけではありません。
歯ぐきのケアが不足している場合は、子どもであっても歯周病にかかる可能性があります。

 

歯周病は大人だけの病気ではない

歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付いた歯垢(プラーク)に含まれる細菌によって、歯ぐきに炎症が起こる病気です。
歯周病は進行度によって、歯ぐきに炎症を起こした歯肉炎と、歯を支える骨まで炎症が広がった歯周炎にわかれます。

 

歯周病は、年齢とともにリスクが上がる病気として知られていますが、子どもでも注意が必要です。
子どもの歯周病では、歯ぐきの炎症である歯肉炎が多い傾向ですが、症状が悪化して歯周炎に至るケースもゼロではありません。
特に、乳歯から永久歯への生え替わりの時期は、歯並びの影響で歯垢が溜まりやすく、歯ぐきに炎症が生じやすくなります。

 

初期の歯周病は、歯ぐきの痛みや腫れなどの自覚症状が出にくいため、気づかないうちに症状が進行していることもめずらしくありません。
お子さんの歯を守るためには、毎日のケアに加えて、定期的に歯医者で歯ぐきの状態をチェックすることが重要です。

 

10代前半の20%以上が歯ぐきの出血がある

歯ぐきからの出血は、歯周病の初期段階に見られる症状の一つです。
歯磨きの際や食事中に歯ぐきから血が出る場合は、歯ぐきに炎症が起こっている可能性があります。
2024年の調査では、10代前半の子どものうち20%以上に歯ぐきからの出血が見られました。


(参照:厚生労働省|令和6年度 歯科疾患実態調査結果の概要-p21)>

 

歯ぐきからの出血は一時的なものと考えられやすく、様子を見てしまうケースもあるでしょう。
しかしながら、歯ぐきからの出血は歯周病のサインかもしれません。
子どもの歯ぐきの出血に気づいた際には、早めに歯科医院で歯ぐきの状態をチェックしましょう。

 

若年層の歯周病は増加傾向

歯周病の指標の一つである、歯周ポケットの深さが4mm以上の人の割合は、若年層において増加している傾向です。
15~24歳における4mm以上の歯周ポケットを持っている割合は、2005年には7.2%でしたが、2016年には17.6%、2024年には24.7%に増えています。
このデータからも、若い世代の歯周病が無視できない問題であることがわかるでしょう。

(参照:厚生労働省|令和6年度 歯科疾患実態調査結果の概要 表20.歯周ポケット〈4mm以上〉を有する者の割合の年次推移、年齢階級別〈15歳以上〉p23)>

 

当院では、歯科用CTを導入しており、歯や歯ぐきを支える骨の状態を確認することが可能です。
精密検査によって歯周組織の状態を把握することで、適切な歯周病治療につながります。

 

 

子どもの歯ぐきに見られる歯周病のサイン

歯ぐきの変化は、歯周病の早期発見につながる重要なサインです。
ここからは、子どもの歯ぐきに見られる歯周病を疑う症状について解説します。

 

歯ぐきが赤く腫れている


健康な歯ぐきは、薄いピンク色で引き締まっています。
しかし、歯ぐきに炎症が起こると赤みが強くなり、丸みを帯びて腫れたような状態になることがあります。
歯ぐきが腫れていると歯との間にすき間が生じやすく、歯垢がさらに溜まることで、歯周病が進行しやすくなるのです。

 

歯ぐきから出血している


健康な歯ぐきは適度な弾力があり、歯磨きなどの小さな刺激によって出血することはほぼありません。
しかし、歯ぐきが炎症を起こした場合、わずかな刺激でも出血しやすくなります。
歯磨きの際や食事中に歯ぐきから血が出るということは、歯周病にかかっている可能性があるのです。

 

口臭が強くなった


歯周病の原因は、歯ぐきの周りで増殖した細菌です。
この細菌は、においの原因となるガスを産生することがあります。

 

子どもの口臭は一時的なものと思われがちですが、歯磨き後もにおいが続く場合や、毎日気になる場合には注意が必要です。
歯周病が口臭を強めているかもしれません。

 

 

子どもに多い歯ぐきトラブル


成長期の子どもの歯ぐきは、大人とは異なるトラブルが見られることがあります。
ここからは、子どもに多い歯ぐきの炎症の種類と特徴について見てみましょう。

 

萌出性歯肉炎

乳歯や永久歯が生えてくる時期に見られる歯ぐきの炎症です。
生えている途中の歯は、一部が歯ぐきに覆われた状態になることがあり、汚れが溜まりやすくなります。
また、歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢が蓄積して炎症を起こしやすいのです。
萌出性歯肉炎は、自覚症状が少ないケースがほとんどですが、お子さんの痛みや腫れが続く場合はご相談ください。

 

思春期性歯肉炎

小学生高学年~中学生の思春期に見られる、歯ぐきの炎症の一つです。
この時期は、ホルモンバランスの変化により、歯ぐきに炎症が起きやすいといわれています。
部活動や学業などで、生活リズムが変化しやすい時期でもあるでしょう。
歯ぐきの炎症を予防するためにも、丁寧な歯磨きに加えて、規則正しい生活習慣を保つことが重要です。

 

侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)

比較的若い年齢で発症する歯周病の一種で、早ければ幼児期や小児期から発症することもあります。
子どもの侵襲性歯周炎は、一般的な歯周病とは異なり、症状の進行が速いことが特徴です。
炎症は歯ぐきだけでなく、歯を支える骨まで及ぶことがあります。
気づかないうちに歯を支える骨が溶けてしまうこともあり、早期に適切な治療を行うことが重要です。

 

 

歯周病予防のためのケア・メンテナンス


お子さんの歯ぐきの健康を守るためには、毎日のケアに加えて、定期的な歯科検診が欠かせません。

 

自宅でのケア

子どものころから正しい口腔ケアの習慣を身につけることは、将来にわたって歯周病を予防する土台になります。

 

●毎日の歯磨き
歯周病予防の基本は、毎日の歯磨きによって歯垢(プラーク)を取り除くことです。
歯垢は、歯の表面だけでなく歯と歯の間、歯と歯ぐきの間などに溜まります。
歯ブラシの毛先は小刻みに動かし、磨き残しのないよう丁寧に磨きます。

 

お子さんが成長して一人で磨けるようになっても、ときどき保護者の方が仕上がりを確認することは大切です。
当院には歯磨きができるパウダールームもございますので、受診前にお子さんの磨き方をチェックする場としてもご利用いただけます。

 

●仕上げ磨き
お子さんが小さいうちは、一人できれいに歯を磨くことは困難です。
また、歯が生えかわる時期は磨き残しが多くなる傾向があり、むし歯や歯周病のリスクが増加します。
そのため、小さなお子さんはもちろん、永久歯が生えそろうまでの時期は、保護者の方による仕上げ磨きが不可欠です。

 

お子さんが歯を磨いたあとに、磨き残しやすい歯と歯の間や歯と歯ぐきの間などを中心に、丁寧な仕上げ磨きを行いましょう。
毎回、欠かさず仕上げ磨きをすることが難しいこともあるでしょう。
しかし、寝ている間は唾液の分泌量が減って、お口の中で細菌が増殖しやすくなります。
就寝前の仕上げ磨きは、お子さんを歯周病から守るために特に重要です。

 

●デンタルフロス・歯間ブラシの活用
歯ブラシによる清掃だけでは、歯と歯の間の汚れを十分に取り除けないことがあります。
歯と歯の間は歯垢(プラーク)が残りやすく、歯ぐきの炎症が起こりやすい部位です。

 

歯と歯の間の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、より清潔な状態を保ちやすくなります。
お子さんの使用が難しい場合には、仕上げ磨きの際に歯ブラシと組み合わせるとよいでしょう。

 

定期的な歯科検診

歯科検診では、自宅のケアだけでは取り除けない汚れの除去や、歯ぐきの状態の確認を行います。
当院は、WEB予約にも対応しているため、ご都合にあわせて受診しやすく、定期的な通院の習慣づけにもつながります。

 

●お口のクリーニング
歯科医院では、専用の器具を用いたクリーニングによって、歯ブラシでは取り除きにくい歯垢(プラーク)や歯石を除去します。
歯と歯の間や歯と歯ぐきの間など、細かい部分の汚れまで丁寧に清掃することで、歯周病の予防につながるのです。

 

●歯磨きのトレーニング
歯の生え方や歯ぐきの形状は、成長に伴って変化するため、その時期に適した磨き方を身につけることが重要です。
歯科検診では、お子さんと一緒に磨き残しが多いところを確認し、歯ブラシの当て方や動かし方をトレーニングします。

 

また、歯磨きトレーニングでは、仕上げ磨きの方法についてもアドバイスを行っております。
当院の診療室は、ベビーカーのままの入室が可能です。
保護者の方もお子さんと一緒に診療室へお入りいただき、実際の歯磨きの様子を確認しながら説明いたします。

 

 

清潔な歯ぐきがお子さんの歯を守る


歯ぐきは歯を支える土台であり、清潔な歯ぐきはお子さんのすこやかな歯の成長に欠かせません。
自宅でのケアはもちろん、歯科医院での定期的なクリーニングを組み合わせることで、効果的な歯周病予防につながります。

 

当院は、お子さんが落ち着いて通えるよう、キッズスペースを設けています。
お子さんの歯と歯ぐきの健康を維持するために、ぜひ当院の歯科検診をご活用ください。

 


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