セルフチェックで自覚症状のない歯周病を早期発見!
歯周病は自覚症状がなく、気が付いたころには歯を抜かなくてはならない状態まで進行してしまうなんてこともある恐ろしい病気です。お口の中のサイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれているほど発見が難しいのです。放置しておくと、全身疾患を引き起こす可能性もあります。日頃から、簡単なセルフチェックを行い、早期発見・早期治療をしましょう。
■もしかすると歯周病?こんな症状はありませんか?
起床したとき、口の中がネバネバする
歯ぐきが腫れるときがある
歯や歯ぐきに違和感がある
口臭が強くなった
歯磨きのとき、出血する
歯ぐきから膿がでる
歯がグラグラと動く
歯がのびて長くなった気がする
歯と歯の間に、すき間ができた
食べ物が詰まりやすい
歯を失う原因のナンバーワンである歯周病の影響は、口内だけに留まりません。全身疾患を引き起こす可能性がある病気です。
歯周病がきっかけになる全身疾患
脳梗塞
心臓病
狭心症
糖尿病
早産や低体重児出産
骨粗鬆症
メタボリックシンドローム
誤嚥性肺炎 など
歯周病菌などの細菌が出す毒素は、口内だけではなく、血液を通じて全身に行き渡ります。そして、それぞれの臓器に付着することで全身疾患を引き起こします。特に、免疫力が低下した方、すでに何かしらの疾患をお持ちの方、高齢者は全身疾患を引き起こす可能性が高くなります。
歯周病を発症したら、歯科医院で行う「プロケア」とご自宅で行う「セルフケア」を併用して治療を進めていきます。どちらかひとつでは、歯周病は改善していきません。正しいケアを受け、正しいブラッシング方法を身に着けることで徐々に歯周病は改善していきます。それぞれのケア方法を詳しく見ていきましょう。
■プロケア~歯科医院での歯石除去~
プロケアとは、歯科医院で行うクリーニングのことです。歯科医師または歯科衛生士が、専用の機器を使用して歯に付着した歯石を取り除いていきます。専用の機器は、手用のタイプと機械から水と超音波が出る機械のタイプがあります。どちらも目的は変わりません。歯に付着している歯石を取り除くことで、歯の表面をツルツルにして歯石の再付着や進行を防ぎます。また、歯周病が進行している方は、知覚過敏の症状がでることがありますが、歯ぐきが引き締まってくると改善されます。症例にもよりますが、歯石が多い場合は数回に分けてクリーニングを受けていただきます。
■セルフケア~毎日の歯磨き~
すでに毎日歯磨きを行っている方も、ご自宅で行う歯磨きの見直しを行います。歯ブラシが合っているか、磨き方の癖や汚れの多いカ所などを一緒に確認していきます。それにより、おひとりおひとりに合ったブラッシング方法を指導していきます。また、歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどのプラスの清掃用具のご説明も丁寧にいたします。正しい方法を身に着けて再発を防止しましょう。
■かみ合わせや歯ぐきのチェック
かみ合わせがよくないと、歯周病を悪化させる要因になる可能性があります。かみ合わせが乱れているせいで、歯ぎしりや食いしばりが起こり、歯を支えている顎の骨に負担がかかり、最悪の場合骨が溶けていきます。このような現象を咬合性外傷と呼びます。特に歯周病が進行している方は、歯ぎしりや食いしばりではなくても、正常なかみ合わせの力でさえ、咬合性外傷を引き起こすことが分かっています。歯周病により、炎症が起きた組織にはかみ合わせはとてもデリケートな問題なのです。そこで、かみ合わせや歯ぐきの炎症などがないかをチェックして歯周病の悪化を予防することが大切になります。
■定期検診+定期的なクリーニング
歯周病治療を終えた方も健康な口内の方も定期健診を受けられるのをおすすめします。歯周病の原因のひとつでもある、歯垢や歯石を定期的にクリーニングすることで、予防に繋がります。また、万が一歯周病に罹患していても、早期発見することが可能です。もちろん、歯周病だけではなく、むし歯やその他の口内トラブルを未然に防ぐこともできます。1本でも多くの歯を残せるように定期健診を受けましょう。